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はじめに

躁状態やうつ状態、人それぞれ発症した時の状況に違いはあるとは思いますが、社会人の方でしたら、一度は休職や退職の経験があるかも知れません。


肩の荷がおりてホッとしたのもつかの間、今度は復職や再就職への不安と焦りで頭の中がいっぱいになった経験をされた方も多くいるのではないでしょうか。

今現在真っただ中にいる方のお役には立てないかも知れませんが、今回は復職や再就職を何度か経験した事がある、病気の経過が長い患者の視点から、お話させて頂きたいと思います。



強い焦りと不安の中で

私は初めての休職と退職を経験した数年間は就労に対して本当に本当に焦っていました。一日も早く復帰しなければ周囲に迷惑をかける、遅れを取る、社会から取り残される、そして経済的にも大きくダメージを受けるという思いから、少しでも調子が良いと感じる度に、必死に何度も何度も再就職にチャレンジし、そして挫折を繰り返していました。

1年以内の短期ならどうにかうまくやっていく事が出来た事もあったのですが、中長期になるとどうしても波をうまく乗り越えることが出来ず、再び逆戻りという結果になってしまうのです。


そしてだんだんと挫折感が強くなり、次第に働きに出て具合が悪くなる事が怖くてしかたなくなっていきました。

そんな風に焦りながら時間が過ぎていく中で、半ばあきらめかも知れませんが、ようやく、自分は障害がある中で生きているだけでも十分じゃないかと思うようになっていったのです。 


 
周囲の視線

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仕事に対する焦りというのは、社会復帰がしたいという自分自身に対しての焦りの他に、周囲の人の目が気になるからという理由も往々にしてあると思います。

療養中、時々癌や障害を乗り越えて社会で大活躍している方の姿を、テレビや新聞などで見る事がありました。本当にポジティブですごい人達だなあと感動し、自分も元気づけらる事が多々ありました。

自分もそうなりたいと思ったし、頑張らなきゃと奮い立つ事もありました。

そして私もテレビに出てくる人のように社会復帰が出来れば、きっと家族や友人も安心するし、病気なのに頑張ってすごいねと職場でも評価されるのだろうと思ったりもしました。

頑張ることは自分のためであると同時に、他人の評価を期待してというのも大きかったと思います。



前向きにあきらめる

けれどチャレンジと挫折を繰り返し、だんだんと病歴が長くなるにつれ、周りの人に「障害があるのに、さらに仕事もしているなんて本当にえらい」なんて思われるために頑張る必要は、もうないのじゃないかと思いはじめるようになっていったのです。

近所の目、友人の目、社会の目を気にしすぎて、無理に働きに出て病相が再燃するなんて、自分がかわいそうじゃないかと。


長い経過の中で、もうすでに周囲の人は私にそんな期待をしているはずはないのは確かでした。私も含め日本人は特に人の目を気にし過ぎる人種なのだと思います。

人それぞれ色んな事情を抱えているので一概には言えませんが、私の場合は自分の環境が許す許さないと関係なく、諦めることが自分を守る前向きな決断だと考えたのです。


障害を抱えて日々暮らすだけでも、十分健康な方達と同じように働いているのと同じ位、毎日必死なのですから。



分かってもらえなくても良い

かといって、もう仕事をするのは諦めたなんて、周りの人に言えば言ったで「仕事もしないで毎日何してんの?」などと非難の目で見られるのは確かなので、開き直ったというそぶりは見せないようにした方が得策なのかとは思います。


就労する事だけがポジティブな生き方ではないのだと、人にわざわざ宣言はしないけれど、自分にだけは言い聞かせてあげてもいいのではないでしょうか。 


仕事は人生の暇つぶし 

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もともと仕事とは、人生の暇つぶしなのだと私は思います。
そこに生き甲斐だのを求める必要なんてありません。


外車に乗ってブランド品を身につけたいなど、物質的な贅沢に価値と満足を求める人なら仕方がありませんが、生き甲斐は仕事以外の場所にあるのが理想かも知れません。


働き方はひとつじゃない

私はストレスの半分以上は業務というより対人関係だと思っています。だからもう私達のような、ストレスがダイレクトに病状に影響を与える病気を持った人間が、あえて無理にストレスの中に飛び込む必要はないのではないかと、極端な話そう思いました。


収入はそれほどではないかも知れませんが、今は家で出来る仕事や副業がいくつもありますし。

私も今は、仕事と呼んでもいいのかなという位、負荷がかからない程度の事を家でしながら、少ないですが収入を得ています。


誰にでも何か特技やスキルがひとつぐらいあるものです。
自分が得意なこと、自分でも出来そうなものは何かなと考えるのも、十分ポジティブですよね。 


 
どう思われるかではなく自分がどう思うか

甘えてるって思われたって、具合が悪くなるよりずっとマシです。

自殺してしまったら、そこで終わりだもの。
自分しか自分を守れる人はいないもの。

私達は、生きているだけで十分素晴らしい存在だという事にしてしまいましょう。そして今生きている事、家族や周囲の人に対して感謝の気持ちを伝えられたら、もうそれで十分じゃないでしょうか。

私なら、そんな自分をたくさん褒めてあげたいと思います。



伝えたいこと

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家庭の状況はそれぞれあるけれど、具合の悪い時にこそ、そんなに焦って仕事、仕事と自分を追いつめないでください。

そして出来れば周囲の人も、状況が許す限りそっと見守ってあげてください。調子が良くなれば、放っておいても仕事がしたくてうずうずしてくるはずだから。

逆に、焦って働きだす事を止めてあげる存在になってくれたら、もう言うことなしです。



さいごに 

双極性障害の発症年齢は働き盛りの20代、30代が主です。発症後にたどる経過は本当に人それぞれ違います。


早期にリチウムなどの気分安定薬が体に合って、それさえ飲み忘れなければ普通の生活が送れるようになっていたなら、私もこのような経過をたどる事も無かったのかも知れません。


そういった意味では、復職を成功させる最大の近道は、いかに早く自分に合う治療法に出会うかによる事なのでしょう。離職期間が長くなればなるほど、復職への心理面でのハードルは上がる一方なのですから。



以上私がチャレンジと挫折を繰り返した結果たどり着いた答えでした。皆さんの心にも、自分なりの納得のいく答えが見つかりますように。




 

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コメント

コメント一覧

    • 1. りん
    • 2017/05/21 12:08
    • 初めまして。
      私も躁鬱と診断され7年目になります。
      最初はバイト、それからフルパート、現在契約社員として立場も転職も何回もし生きてきました。目標は前職よりも長く働く、行く行くは正社員として働けるためにと。
      けれど現在の契約社員で年数が増えるたび業務内容、責任が増えてきて私のキャパを越してしまいました。なんのために働いてるのか、なんで正社員を目指しているのか。と思うようになりました。病気とは一生付き合わないといけないのに頑張っても頑張るほど辛いし、頑張るってどこまで頑張ればいいのかもわからなくなり、人生に疲れました。30歳前にパートなんて恥ずかしいとか人に評価されたい、でも無理なものは無理。自分の精神がまた崩れる。
      そんな時、あなた様のブログに辿り着き、人がどうこうではないけど気持ちがとても楽になりました。本当にありがとうございます。
      勇気を頂けました。
    • 2. momoco(管理人)
    • 2017/05/25 10:05
    • りんさん、初めまして。
      りんさんのコメントを読ませて頂きながら、私も正規職員を目指して必死にチャレンジを繰り返していた時期を思い出し、涙がこみ上げてしまいました。

      病気を抱えながら、一般の人達と同じ業務をこなして行くことの精神的負担は、計り知れないものがあります。そんな中、一生懸命仕事をするりんさんの努力は、並大抵のものではないと思います。

      頑張るってどこまで頑張ればいいのだろうと悩む、りんさんの気持ちに胸が痛くなりました。年齢的にも、自分がこの先どの方向へ進むべきか、大きく悩む時期ですよね。

      身近な人で、りんさんの気持ちを安心して吐き出せる人がいることをいることを、また同病者として、りんさんが納得のいく答えを見いだせることを、せつに願っています。
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