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インドという国は、日本とはどこまでも対象的な国です。国土も人口も気候も文化もすべてが正反対です。

旅行で訪れたことのある方は、旅の武勇伝で必ずインド人がどれだけ嘘つきで、トイレが汚かったかを自慢するので、初めてインドへ行く人はみんな行く前からビビってしまいます。

それにニュースではレイプの話ばかりが取り上げられますし、貧困というイメージも、すでに日本人の意識にしっかりと刷り込まれています。

そんな悪いイメージだらけの国ですが、実際のインドは少し違います。




日本との比較

まずは簡単に日本と比較してみますと、国土は日本の8.8倍、人口は約10倍です。さらっと書きましたが、よく見るとすごい数字です。

さらに日本と違うのは、インドの人口構成が日本とは逆で、若年層が圧倒的に多いことです。高齢者の多い日本と違って、未来を感じますよね。

言語は方言も合わせると1000以上あります。

チェンナイ・エクスプレスというインド映画のラストシーンでは「私達の国は1635の言語がある」と語っていましたが、実際その通りだと思います。
ですので州が変わると意思疎通が不可能なことはごく普通にあります。
国土がどれだけ広いかを物語った数字です。

これだけを比較しても、両国が真逆なことがはっきりと分かります。





1. 汚いに関して

これは清潔感のハードルの高さの違いですので、絶対汚くないとは言い切れません。

確かに都心の大豪邸に住む人が、突然朝起きたらインドに放り出されていたなら、さすがに絶叫するかも知れません。

けれど普通の人が自分から望んで行くのであれば、「あれ?思ったよりキレイじゃない?」と思う人もいるかも知れません。



トイレは汚い?
空港のトイレはもちろんきれいです。いつもお掃除の方がこまめに掃除をしてくれています。

ホテルは豪華なホテルから、インド人だって泊まらないようなほったて小屋のゲストハウスまで色とりどりですので、自分の予算と清潔感のハードルに合わせてチョイスする事が出来ます。

インドのショッピングモールは尋常ではない豪華さですのでトイレの心配はいりませんし、都市部の駅構内のトイレは10ルピー払えば担当の方がキレイに掃除してくれたシャワールーム完備のトイレが利用出来ます。

列車のトイレは心配してたよりも広くてキレイなのには驚きでしたし(ゼネラルから2等寝台までいろいろ乗っています)、バス移動の際のドライブインらしきトイレも、青空系のものからいろいろ種類はありましたが、個室よりも外の方がかえって清潔で安心でした。開放感たっぷりで気持ち良かったですし。

ゲストハウスから一般家庭のホームステイ、PGと呼ばれる寮に似た場所から、友人の家までといろんな所に滞在しましたが、トイレットペーパーがない以外はどこも普通のトイレと同じです。


トイレットペーパーは汚いという意識
インドではトイレットペーパーは汚物を身体にこすりつけるので不潔という意識が強いのと、配管事情で詰まりやすいという理由から、ほとんど使われていません。

私はトイレットペーパーをいつもバッグに入れて持ち歩いていましたが、最後にホームステイをしていた時の部屋では、手動ウォシュレットに挑戦しました。

やはりインドの人が言うように、1度手動ウォシュレットを経験してしまうと、紙には戻りにくくなりました。清潔感とさっぱり感が全然違います。

インドの人が手を使って水で洗い流し、ジーンズもサリーも濡らさないでトイレを後にするという姿は、とても優雅でお見事です。ぜひ清潔第一の日本人にも試して欲しいテクニックだなあと思いました。




食事は手で食べるの?
インドの人は手で食べる人が今も多いです。
しかしインドの食堂には必ず広い手洗い場があります。食べる前に手を洗い、食べた後には手と口をゆすぎます。決してそのままの手で食べる人ばかりではありません。

石けんでごしごし洗う人は見たことはなかったですが、真っ黒な手のまま食べているわけではないし、インドの人だって人間ですから明らかに汚いことはしません。

ナイフとフォークを使う人もたくさんいるので、使いたい人はカウンターに置いてあるので取りに行きます。

私も明らかに観光地化している所以外では、皆と一緒に手で食べていました。1度手で食べるとやみつきになります。断然美味しく感じるのです。インドの人のゴハンと主菜を混ぜながら残さずきれいに食べる姿に、マナーの良ささえ感じていました。

私達もおにぎりは手で食べますよね、ハンバーガーだってフォークを使う人はいないに等しいと思います。


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2. 貧しいに関して

インドをイコール貧困で片付ける時代はとっくの昔に終っています。
インドの経済発展は尋常ではないほどに著しいからです。

行ってみれば分かると思いますが、都市部は特に若さと熱気にあふれています。

インドのショッピングモールは日本とは比べられないほどのスケールです。
バンガロールにフェニックスモールという有名なショッピングモールがあるのですが、そこには一般の日本人には買えないような高価なブランド品があふれかえっています。

館内にあるPVRシネマという映画館は大変豪華です。日本の映画館の料金以下で、寝ながら観られる大きなリクライニングシートで隣に気遣う事なく楽しむ事が出来ます。

若い女性は「下着かっ!」とつっこみたくなるような格好で歩いてますし、高級車もガンガン走っています。もはやそこはインドではありません。

ですからインドをイコール貧困という目で見る時代はすでに終わっていると言えます。

だからと言ってインド人は貧困問題に目をそらしている訳でもありません。

インドの貧しい人々の生きるたくましさの根というものを感じる時、自分がどれだけ生きることに消極的であるかをこれでもかというほど思い知らされます。

貧富の差はもちろんありますが、それは日本にだってあります。裏側に潜んでいるかいないかというだけの違いです。



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3. 嘘つきに関して

嘘つきという言葉は、まるでインドの枕詞のようですね。
確かに嘘をつかれる場面は、大変多いです。

私の経験談ばかりで恐縮ですが、私がインドへの印象と思い込みが変化したのは、ある友人との出会いがきっかけです。

彼と初めて出会ったのはカンボジアの国境でした。その当時はまだ私の中のインドへの印象は、皆さんと同じように「貧困」「汚い」「嘘つき」そのものでした。

それから何年かして、私は彼に会うためにインドへ渡り、彼の家にしばらく居候させてもらっていた時の話です。



嘘つき合戦
最後のお別れの前日、彼はどこかに出かけるようだったので、「どこ行くの?」聞いたら、一瞬表情が変わったのですが「ちょっとオフィスに行ってくる」と答えたので、その時は特に何も気にしていませんでした。

そして翌日最後の夜に私の部屋にやってきた彼は、私に袋を差し出しました。
彼は私にオフィスに行くと嘘をついて、わざわざプレゼントを買いに行っていたのです。

なぜかというとその日はクリスマスで、前日のイブにたまたまケンタッキーで二人でチキンを食べていた時に、インドではクリスマスは特に大きなお祝いはしないというのを知って、日本のクリスマスの習慣を熱く語ったことが原因でした。

でも実は私もその日の昼間、こっそりとプレゼントを買っていました。
けれど彼は私が物を贈ると遠慮して受け取らないのを知っていたので、メイドさんに預けて私が帰った後に渡してと頼んでいたので、その日は私もしらっと過ごしていたのです。

しかしメイドさんは私がしつこく内緒にしてと言ったのにも関わらず、私に嘘をついてヒンディー語でばれないように彼に私の魂胆を暴露し、そしてそれを聞いた彼は私に知らない振りをしていてくれたことが後になって分かりました。

そして私が帰った後に電話をしてきて「今受け取ったよ、ホントにどうもありがとう!」と明らかに嘘と分かる口調でお礼の言葉をかけてくれたのでした。

要するに私達はずっと一緒にいる間中、嘘つき合戦を繰り広げていたのです。



優しい嘘
そして最後の夜に用があって彼が私の部屋のドアを開けた瞬間、私は見ていたスマホを隠して寝たふりをしたのですが、その翌朝頼まれていたので彼を起こしに行くと、電気がついていて明らかに起きているのにも関わらず、毛布を頭までかけてじっとしているのです。

彼は前夜に私が寝たふりをしたのを知っていて、寝たふりという報復をしてきたのです。

仕方が無いから、毛布を引っ張ると、いかにも今目が覚めたふりをしながら背伸びをして「あれ?もう支度できたの?」ととぼけてにやにやしているのでした。

ドライブ中に邦楽を聞かせてあげたら、まったく良さが分かっていないのがバレバレなのに、突然「この曲いいね!なんてタイトル?」とわざと大げさに聞いてきたり、トイレになんか行きたくもないのに、私を気遣って「あ、トイレここにあった!行きたかったんだよねー」ととぼけてキレイなトイレのある所にわざわざ連れて行ってくれたりと、分かりやすい嘘の数々を連発してくれました。



嘘は陥れるためだけに使うものではない
ちょっと長くなってしまったので、オートリクシャーさんやゲストハウスのおじさんの嘘など、嘘の話なら他にも大量にあるのですが、今日はこの辺にしておきます。

何が言いたいのかというと、彼らの嘘は決して人をおとしめるためだけの嘘ではなく、相手を気遣う時にもたくさんつくのです。インドでは嘘は悪というだけではなく、人を気遣う時にもたくさんつくものなのです。

そういう意味では、嘘をつくことに関しては日本人の私も決して負けてはいなかったと思います。


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インドは一言では語れない国

いかがでしたしょうか。私の主観の強い内容ではありますが、あながち間違っているわけでもないのではと思っています。

あの広大な国を、たったの一週間程度のツアーで理解するのは不可能ですし、そういった人の誇張した表現だけを鵜呑みにしてしまうのはつまらないことです。



日本人のステレオタイプ

ちなみにこちらはインド人から見た日本人のステレオタイプです。
アーミルカーンというインドで有名な俳優が日本人に扮するコカコーラのコマーシャルです。日本人とは、帽子をかぶりカメラを首にかけ、受け口で英語が話せないイメージのようです。

レストランの主人は日本人がやってきたと、値段をつり上げたぼったくりメニューを差し出すのですが、実は蜂に刺されたインド人ということが分かる設定です。面白いですね。







それと最後に素敵な言葉を見つけたので、ご紹介して終わりにしたいと思います。


旅をすることは、他国に対する間違った認識に気づくことである
ークリフトン・ファディマン