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ストレスがないというストレス

仕事を辞め自由な時間を満喫し、さらに長い時間が流れると、人は次第に寂しさや虚しさで心が埋め尽くされるようになってくるのだそうです。

初めの頃は時間が出来た事がうれしくて、あれもこれもとやってみたいことを思い巡らし、テンションも上がるものですが、ストレスがない状態というのは生活の満足度を大きく押し下げると言います。

そうなると自分はこの先どうなりたくて何がしたいのか、それどころか自分がこの世の何者なのかさえ分からなくなってしまう人もいるようです。

30代で会社を人に譲り、アーリーリタイアをされた方のブログを、だいぶ昔に読んだ事があります。

その人が言うには、リタイア後に同じ趣味の仲間を自分から見つけて楽しめる人はいいけれど、そうでない人は人間関係のストレスは圧倒的に減る分、孤独感や疎外感を強く感じるようになるのだそうです。

退職後はうつ病を発症するリスクが40%も高まるというデータもあります。



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とにかく時間が欲しかった

私が仕事で忙しかった頃、喉から手が出るほど強く欲していたのは、潤沢な「時間」でした。

時間があれば、本も好きなだけ読めるし映画も見放題、日数を気にしないで旅行も出来る、夢のような日々が待っていると信じていました。

面倒くさい人間関係からだって解放されて、一人の時間を有意義に過ごせるに違いないとも思っていました。

孤独感や疎外感を感じるなんて想像した事もなかったけれど、よくよく考えてみれば、先ほどのアーリーリタイアをされた方の言う通りです。

しかし忙しい時には、孤独感や疎外感なんてものが、そんなものが人の心を大きく占めるなんて思ったことすらありませんでした。



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ストレスの多い人の方が人生の満足度が高い

話は少し変わりますが、スタンフォード大学の心理学者のケリー・マクゴニガル博士が自身の著書の中で「ストレスの欠如は人を不幸にする」と述べています。

ストレスと生きがいは強く結びついているのだそうです。

「18歳未満の子供を養育している人達は、毎日多くのストレスを感じていると同時に、ほほえんだり、笑ったりする事が多い事が分かりました。また、起業家の場合、前日に大きなストレスを感じたと答えた人達は、同じ日に興味深いことを学んだと答えている事がわかりました。」

「多くの人は、こんなに忙しくなかったら、もっと幸せになれるのにと思っていますが、実際は正反対なのです。やるべきことが多過ぎるくらいでも、忙しい人のほうが幸せを感じています。だからこそ、急にやることがなくなって暇になってしまうと、危険なのです。」

とも述べています。
ストレスの多い人の方が、愛情や健康に恵まれ、人生に対する満足度が高いと彼女は言うのです。



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居場所とは「役割」のある場所

人が孤独感に苛まれた時に何を求めるかと言えば、それは単純に「人の温もり」だろうと思います。

誰かのそばにいる、誰かと心が繋がっている。それは、遠くにいても近くにいても同じことです。

心を通わせるということは、自分の居場所を見つけることでもあります。

自分の居場所、それは「自分の役割のある場所」と言えるかも知れません。

それと同じように、社会の中で疎外感を感じるのは、自分が身を置いているはずの場所に自分の居場所がないように感じた時なのではないでしょうか。

だとすれば、逆に社会の中に「役割」を見いだすことが出来れば、自分の居場所が見つかり、途方に暮れる程の孤独感からも少しは解放されるような気がします。



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自ら人と関わることで役割を見いだす

では仕事以外で社会の中に役割を見いだすには、どうすれば良いのでしょう。

自分の心が温かさに包まれるのはどんな時かと言えば、やはり人との繋がりを感じた時です。

そして人は人の役に立てた時が、何よりも強く満足感を得られるように思います。

だとすれば役割を見いだすには、自分から進んで人に関わっていくことが一番の近道となるとは言えないでしょうか。

同じくケリー・マクゴニガル博士が述べています。

「ストレスを感じるのは、人生がうまく行っていないしるしではなくて、自分にとって大事な活動や人間関係に、どれだけ熱心に取り組んでいるかを示すバロメーターと言えるでしょう。」




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「役割」というものは、仕事の有る無し、家族がいるいないに関係なく、社会の中で生きていくことの大きな意味となります。

人によってはそれを「生きがい」という言葉に置き換えて暮らしているかも知れません。

なぜなら「役割」とは、お金や時間には代えられない「生きる喜び」でもあるからなのだと私は思っています。


☆参考図書☆
ケリー・マクゴニガル
スタンフォードのストレスを力に変える教科書

良書です。